SIENG_CINEMA

saruinu engineering_cinema log.

女子大生・恐怖のサイクリングバカンス

原題: AND SOON THE DARKNESS
監督: ロバート・フュースト
公開: 1970年(日本未公開)
時間: 95分
製作国: イギリス
視聴: DVD

 

story __

女子大生のキャシーとジェーンは、フランスで女2人の自転車旅行をしていた。しかし、計画通り進めようと旅路を急かすジェーンに対し、キャシーは反発。ついに喧嘩となり、2人は別々の行動をとることになる。

キャシーを1人残して走り出したジェーンだったが、途中で心配になり引き返すも、彼女の姿はどこにもない。

焦るジェーンに、旅の途中で何度もすれ違ったある男が声をかけてくるが‥‥。

 

report __

DVDパッケージの裏を見ると、結構期待値を上げてくれる煽り文句だったので観てみたけど、なんだか残念な作品でした。

話の流れは‥‥ イギリス人女子大生2人が知らない土地を軽装で旅行 ⇒ うち1人がハメ外したい願望で貞操緩めの言動(もう1人は貞操ガチガチ) ⇒ 案の定、喧嘩になって別行動 ⇒ その土地ではかつて若い女が殺される事件あったこと発覚 ⇒ 貞操緩め女が失踪 ⇒ 犯人は誰?もう1人はどうなる? ‥‥といったところ。話としてはわりと王道なんですが、盛り上がりに欠けて、どうも物語に引き込まれていきません。

まず、登場人物が少ない上にあんまり個性的というか、魅力的なキャラが出てこなくてマイナス。それに、全体的に情報が少なすぎ。犯人の手口や動機などを予想する上でポイントになるはずの “過去の事件” の詳細がキチンと明かされないので、結局、犯人は何故こんなことをしていたのか、その核心には届かずじまいで終わります。

序盤から中盤にかけては、貞操緩めなキャシーの、ブスーなクセに男が自分を追いかけてきてくれるとやけに自信過剰な感じにイライラ。(挙句には男の気を引くために、自ら下着をバラ撒くという奇行に興ざめ)

ようやくキャシーが退場して話が動き出したと思ったら、そこからジェーンがキャシー探しにあっちに行ったりこっちに行ったりと移動ばっかりでモヤモヤ。

クライマックスではジェーンと犯人(と思われる男)によるかくれんぼ。これがまた緊張感を欠いてナンダカナー。その最中、死体となったキャシーとご対面となるんだけど、一体キャシーはいつどのタイミングでどうやって殺されたのか、そしてイタズラされてるのかも不明。(一応、過去の事件ではイタズラがあったとのこと。同一犯かを匂わせる重要な要素じゃないのかなあ?)

ラストもコッテコテ。ジェーン危うし!から、犯人と思ってた男に大反撃するも、実は人違い。真犯人がジェーンを襲おうとするところを、復活した男が救出してハッピーエンド? んー、男はジェーンにレンガみたいなもので何発もブン殴られてたのに死なず、真犯人は手負いの男の棒スイング一発でノックアウトって。。。そもそもこの男も自称・国家警察(インターポールのこと?)を名乗ってたけど、本当は何者だったのかも謎のまま。

結局、身の毛もよだつバイオレンスなシーンもなければ、犯人や事件の核心に迫っていくハラハラの謎解きサスペンス要素もなし。サービスのお色気シーンすらなし。煽り文句倒れの残念な作品でした。

 

▲問題の裏パケ。言うほど心にズキズキくるようなスリルも緊迫感もなかったです。

 

▲数少ない褒めポイントは時代感。チャリンコやスクーターなど、年代を感じさせる小物類はわりと味がありました。

 

score __ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆