モンスターズ 地球外生命体
原題: Monsters
監督: ギャレス・エドワーズ
日本公開: 2011年
上映時間: 94分
製作国: イギリス
視聴: TV吹替え(テレビ東京)
story __
地球外生命体のサンプル採取に成功したNASAの探査機が、大気圏突入時にメキシコ上空で大破。その直後から謎の生命体が姿を現し、メキシコの半分が危険地帯として隔離される。
それから6年後。謎の生命体のスクープ写真を狙ってメキシコに潜入したカメラマンのコールダーは、上司から現地でケガをした社長令嬢のサマンサ(サム)をアメリカに送り届けるよう依頼される。
無事に港まで辿り着いた二人だったが、コールダーのミスでアメリカ行きの最終便に乗り遅れ、陸路でアメリカに戻ることにする‥‥。
report __
今週末に迫ったハリウッド版『ゴジラ』にちなんで、その監督に抜擢された新鋭監督のデビュー作を‥‥ということでテレ東が放送。“低予算で完成させ話題となったSFモンスター映画” との触れ込みだったので、対エイリアン(残虐で獰猛)との熱いバトルを期待したんですが、僕がこれまで観たエイリアン(地球外生命体)映画の中でも1、2を争うくらい拍子抜けな控えめの映画でした。
劇中ではアメリカが対エイリアンの急先鋒となってるんだけど、全然戦闘シーンが出ません。戦闘機によるドッグファイトもなければ、戦車や人間による白兵戦もなし。ほとんどの時間が、主人公2人による旅の様子に粛々と費やされます。
エイリアンもどこかで見かけた感じ。(ズバリ、トム・クルーズの『宇宙戦争』の巨大タコそのもの!) 大きさも鳴き声も触手も既視感バリバリで目新しさがないし、そもそもこっちが手を出さない限りは意外と大人しいとかで、ヒールらしい目も覆いたくなるような破壊と殺戮のシーンはほぼないです(ただ、少女を含むとある家族が襲われた場面はちょっとかわいそうだったけどね)。
結局、2人は無事にアメリカに辿り着いてお互いの気持ちを確かめ合うも、ラストは2人離れ離れになってオシマイ。一体何を伝えたかったのか。ただただモヤモヤのポイントだけが蓄積されていくだけの映画でした。ちなみに回収されないまま、気になって終わった伏線は以下の感じ。
・そもそも地球外生命体は一体何がしたいのか。(ラストで離れ離れになった2体は何?主人公の未来を投影してたの?)
・地球外生命体の容姿(外観)やスペックが不明すぎる。
・地球外生命体とアメリカとの攻防は、正確にはどんな状況にあるのか不明。
・戦闘シーン少なすぎ。
・顔に仰々しいマスクをするのを義務付けてるけど、その意味は? マスク無しだとどうなるの?
・主人公サムの腕の怪我は本当にただの怪我だった。(ラスト、そこにエイリアンの菌が繁殖してサムがエイリアンに!‥‥なんて期待もしてたんだけど不発)
‥‥とまあ、書き出したらきりがない。ていうか、大体まずタイトルからして、ちょっと詐欺な気がします。エイリアンの登場シーンや見せ場なんて、微々たるもんじゃん! エイリアンの出現で修羅場となったメキシコで出会った男女が、いかにして親密になり恋に落ちていくかという、いわゆる “吊り橋理論” を淡々と長々と見せられるだけだし!
本当は★1点にしようと思ったんだけど、サムことホイットニー・エイブルのショートカットがよく似合っていたので出血サービスで★+1点しました。ただ、もう一回観る気にはなれないね。
score __ ★ ★ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
追記 2023.05.30
また午後ローでやっていたので、観てみた。
新たな発見としては、オープニングは実はエンディングから繋がっていたってこと。初見時には主人公二人が別々にって認識だったけど、ちゃんと二人揃って軍の救助隊に拾われてた。そして、オープニングに繋がってその救助隊にモンスターが強襲。その中で、おそらく負傷した(ぐったり気を失ってるっぽい)サムを抱えながらコールダーが必死に助けを求めていた。。。ハッピーエンドじゃなかったんだ。
更によく見ると、地上の被害を顧みず空からの攻撃命令が下され、救助隊はサムを抱きかかえるコールダーを置き去りに車で去ってしまうっぽい。直後にミサイル攻撃がモンスターに直撃し。。。
それと、メキシコでの逃避行の最中、ちょこちょこカットインする政治的な看板。要は、一般市民に犠牲を出しながら爆撃(戦闘)をする軍?政府?こそモンスターだ!ってメッセージ。本当に言いたいのって、実はこれだったの???(オープニングの置き去りもそれなのか。。。だとすると政治色が強いな)
あと、改めてみるとサムは結構歳がいってるように見えたな。。
コールダー、本当ならサムはアメリカ行きの最後の船に乗って終わったのに、最後の夜にサムにフラれてヤケ酒⇒行きずりの女を部屋に入れ、金とサムのパスポートも盗まれる。。。だせえ。なのにちょっと偉そうなのがね。だせえ。
何にしても、やっぱりもう一度観返すと新たな気づきってあるもんだ。