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ディセント

ディセント
原題: The Descent  本編時間: 99分
監督: ニール・マーシャル
製作国: イギリス  日本公開: 2006年
視聴: DVD(2011/03/19)

 

story __

1年前、自らの不注意による交通事故で愛娘を亡くしたサラ。塞ぎがちになった彼女を心配し、姉御肌でしきり屋のジュノが中心となって、かつての冒険仲間たちが集められ、アメリカ・アパラチア山脈のとある洞窟を探検することになった。最初は意気揚々と探検を楽しみ余裕の彼女たちだったが、不慮の落盤事故によって洞窟内に閉じ込められることになり・・・・。

 

comments __

いきなり語弊を恐れずに言えば、女性の友情ってなんでこうウソ臭く見えるんだろう。この作品を見て、まずはそれを思いました。別に世の女性にケンカを売りたいわけじゃないんですけどね。ただ、女性が友情を語る姿に違和感を感じてしまうんです。それは、女性より男性の方が確実にガキっぽくて単純でアホだから、というのがあるのかな。損得や利害勘定抜きで、時に気持ちで突っ走れるのが男って生き物であり、一方、女性とは常に思考回路がクールに働いて、悪く言えばそもそも根本的に自分以外を信じきらない生き物なんだと思うんです。(もちろん、そういう男と女がそれぞれ存在してるから社会が成り立ってるとも思う)

本作は探検に繰り出した女性グループが未知の洞窟内に閉じ込められ、そこで凶暴な地底人に襲われるというホラーものです。当然、地底人の襲撃によって血しぶき飛び交う残虐なシーンも含まれるわけですが、実はそんな地底人なんかよりも、人間(特に女性)の方がよっぽど怖い(脆い)!という心の深層部分をエグくえぐっているわけなのです。

主人公のサラは交通事故で愛娘を失って以来、少々心のバランスを崩しかけています。久々に再会した仲良しグループの中でも、どうも気を許しきれていない。そのギクシャクとした感じが、見てるこちらにも筒抜けで、クライマックスへの伏線となっていきます。(実は交通事故だけがサラのギクシャクの原因でないことも判明!)

とっさの事故とはいえ仲間に瀕死の重傷を負わせたり、それを見捨てたり、仲間同士で信じるなと言ったり。人間、極限状態の時こそ本性が現れるといいますが、本作は見事にそれを具現化しています。事実、劇中ではなぜ地底人がそこにいるのか、正体は何なのか、地底人に関する謎はまったく解かれません。それでも、観終わった後にそんなに全然気にならない。それくらい、女性グループ内の人間ドラマに釘付けになってしまいました。なかなか良くできた映画でした。

 

score __

★★★★☆☆☆