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赤ずきん

原題: Red Riding Hood
監督: キャサリン・ハードウィック
日本公開: 2011年
上映時間: 100分
製作国: アメリカ、カナダ
視聴: TV字幕(TBS)

 

story __

とある山深い村に住む美しい娘のヴァレリーは、幼馴染で木こりのピーターと愛し合っていたが、母親によって裕福な鍛冶屋のヘンリーとの婚約を決められてしまう。

そんな折、村で狼によってヴァレリーの姉ルーシーが殺される事件が起きた。村人達は狼に復讐を誓って山に入り、狼を退治する。

翌日、狼退治を依頼したソロモン神父の一行が一日遅れで村に到着し、ルーシーを襲った狼は村人達が狩った狼ではなく、実は魔物となって村人に化けている人狼であることを告げるが、村人達は一向に信じようとしない。神父の警告を聞かずに始まった夜の宴の最中、またも狼が現れ次々と襲われると、村人達は神父の言葉を聞き入れ、村に紛れた人狼捜しが始まる‥‥。

 

report __

正直、こういう中世を舞台にした作品はあんまり好きじゃないんだけど(衣装とか髪型とか)、前情報を入れずに観たら、わりと楽しめました。

この作品のミソは、なんといっても “人狼が誰であるか?” 。それらしい容疑者をそれらしく見せながらも、最後まで上手く引っ張っていたように思ったし、ちょっとM・ナイト・シャマラン的に張られた伏線がきちんと回収されたのも作りの丁寧さを感じました。また、作品のバックボーンであるグリム童話にちなんで、例えば『三匹のこぶた』とか、他の童話のエピソードも小ネタで挟まれていたのも思わずニヤリ。

ただ、惜しむべくは盛り上がっていくラストの中で、ヴァレリーをめぐる二人の恋敵ピーターとヘンリーがそれぞれ負傷するも、それが次のシーンで意外とあんまり引きずってないところ。わりと重傷のように思えたんだけど、あっさり復活してたのがうーん‥‥。それと、これはネタバレに繋がるポイントだけど、ピーターが人狼(実はヴァレリーの父・セザール)と格闘中に噛まれるシーン。巻き戻してスロー再生して確認するも、どう贔屓目で見ても噛まれてるようには見えません。ここはすっごいマイナスだったなー。

さてさて、かくして赤い月の期間中に人狼に噛まれたピーターは人狼となって村を去り、ヴァレリーも人狼となることを受け入れて、次の赤い月に再会し‥‥というラストシーン。ネットでは “衝撃のラスト” みたいに書いてる人もいたけど、僕は結構スムーズな流れに感じました。

ちなみに、全ての始まりとなる人狼のセザールが娘のルーシーを襲った理由。これ、実はルーシーは自分の子でなかったことに、我を忘れてしまったから。そういやヘンリーとの結婚を強引に進める母は、セザールを最初は愛していなかったって、ヴァレリーにカミングアウトしてたっけ。しかも、ルーシーの父親はヘンリーの父・エイドリアン。そりゃ、慎ましやかに暮らしてきた人狼も怒りますよ。

最後に、ヴァレリー役のアマンダ・サイフリッド嬢(当時24才ぐらい)。綺麗だけど怖い。まさに適役でした。

 

score __ ★ ★ ★ ★ ☆ ☆ ☆