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ファム・ファタール

原題: Femme Fatale
監督: ブライアン・デ・パルマ
日本公開: 2003年
上映時間: 115分
製作国: アメリカ、フランス
視聴: TV吹替え(TBS)

 

story __

カンヌ国際映画祭の会場から1000万ドルの価値を持つダイアモンドが散りばめられた衣装が盗まれる。犯人一味のロールは仲間を裏切り、家族を失って失意のまま自殺した女の戸籍を使って、アメリカへの逃亡に成功する。
7年後、ロールはアメリカ大使ブルース・ワッツの妻リリーとなって再びパリを訪れるが、身元がバレることを恐れて公の場には姿を現さない。そんな中、スクープカメラマンのニコラスのもとに、彼女の素顔を撮影するよう依頼が来て‥‥。

 

report __

正直、こういう中世を舞台にした作品はあんまり好きじゃないんだけど(衣装とか髪型とか)、前情報を入れずに観たら、わりと楽しめました。

この作品のミソは、なんといっても “人狼が誰であるか?” 。それらしい容疑者をそれらしく見せながらも、最後まで上手く引っ張っていたように思ったし、ちょっとM・ナイト・シャマラン的に張られた伏線がきちんと回収されたのも作りの丁寧さを感じました。また、作品のバックボーンであるグリム童話にちなんで、例えば『三匹のこぶた』とか、他の童話のエピソードも小ネタで挟まれていたのも思わずニヤリ。

ただ、惜しむべくは盛り上がっていくラストの中で、ヴァレリーをめぐる二人の恋敵ピーターとヘンリーがそれぞれ負傷するも、それが次のシーンで意外とあんまり引きずってないところ。わりと重傷のように思えたんだけど、あっさり復活してたのがうーん‥‥。それと、これはネタバレに繋がるポイントだけど、ピーターが人狼(実はヴァレリーの父・セザール)と格闘中に噛まれるシーン。巻き戻してスロー再生して確認するも、どう贔屓目で見ても噛まれてるようには見えません。ここはすっごいマイナスだったなー。

さてさて、かくして赤い月の期間中に人狼に噛まれたピーターは人狼となって村を去り、ヴァレリーも人狼となることを受け入れて、次の赤い月に再会し‥‥というラストシーン。ネットでは “衝撃のラスト” みたいに書いてる人もいたけど、僕は結構スムーズな流れに感じました。ちなみに、全ての始まりとなる人狼のセザールが娘のルーシーを襲った理由。これ、実はルーシーは自分の子でなかったことに、我を忘れてしまったから。そういやヘンリーとの結婚を強引に進める母は、セザールを最初は愛していなかったって、ヴァレリーにカミングアウトしてたっけ。しかも、当初愛しててルーシーの父親はヘンリーの父・エイドリアン。そりゃ、慎ましやかに暮らしてきた人狼も怒りますよ。最後に、ヴァレリー役のアマンダ・サイフリッド嬢(当時24才ぐらい)。綺麗だけど怖い。適役でした。

 

score __ ★ ★ ★ ☆ ☆ ☆ ☆