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ジュラシックワールド/新たな支配者

DVD、字幕

初見

 

前作『ジュラシックワールド/炎の王国』より4年後の話。地球はすっかり?人類と恐竜が同居する世界に変わっていたが、共存と呼ぶには程遠い状況だった。人間の生活圏でのトラブルを回避するため、各国政府?等は恐竜の保護区を設けるなどをするも、裏ルートでの密猟や密輸、繁殖も世界中に蔓延していた。

そんな中、巨大企業バイオシン社は恐竜のDNAが持つ力を世の中に役立てるための研究を唱え、イタリアの山脈地帯に大規模な恐竜保護区(バイオシン・サンクチュアリ)を設立した。

前作にてクローンであることが発覚し、その存在を狙われることとなったメイジ―を守るため、人里離れて彼女と共に生活するオーウェンとクレア。実はその近所に、同じくDNA操作によって生み出されたヴェロキラプトルのブルーも子を産み、暮らしていた。

しかし、バイオシン社トップのドジスンから密命を受けた犯罪者デラコートに見つかり、メイジ―は連れ去られてしまう。

一方、アメリカの中西部の農地で大量の巨大イナゴが発生、穀物を食い荒らす。古植物学者エリーサトラーが調査に赴き、巨大イナゴのサンプルを持ち帰るが、巨大イナゴはバイオシン社が開発した種を植えた農場には近寄らないことに疑問を持つ。

エリーはジュラシックパークの経験を共にした古生物学者のアラン・グラント博士の元を訪ね、巨大イナゴを見てもらうと、イナゴは恐竜が生きた白亜紀時代の特徴を持っていた。二人はバイオシン社が意図的に白亜紀のDNAを持ったイナゴを作り出しているのではないか、そしてこのままではあっという間に世界中の穀物に被害が及ぶとの考えに至り、同じくジュラシックパーク事件の当事者であり、今はバイオシン社に雇われている数学者イアンマルコム博士のコネを伝ってバイオシン・サンクチュアリに向かう。

メイジ―を攫われたオーウェンとクレアは、CIAの友人の力を借りて、彼女が地中海のマルタ島にいる情報を得る。実は、マルタ島は恐竜の闇取引の中心であり、その闇取引にもバイオシン社が関与。取引現場に潜入するも戦闘となり、その最中にメイジ―はバイオシン・サンクチュアリへ移送されてしまう。二人は街に放たれたヴェロキラプトルの追撃をなんとかかわしながら、闇取引における密輸業者であった元空軍のケイラの力を借りて、バイオシン・サンクチュアリに向け飛び立つのだった。

 

正直、前作のスケールダウン感があったので、今作は懐疑的なところがあったけどなかなか楽しめた。流石、完結編。

序盤はわりとしっかり目的作りを固める時間。恐竜映画というよりも、人間側のアレやコレやといった事情を観る側に理解させるターンだったので、ちょっと退屈なところもあった。でも、ここにしっかり時間が費やされたから、中盤以降バイオシン・サンクチュアリ(いわゆる恐竜ワールド)で盛り上がったのかなって思う。

キャストも、ジュラシックパークから観続けてるファンとしては、ホントお祭り感満載!個人的にはジェフ・ゴールドブラム演じるマルコム博士は、彼以外はあり得ないと思うくらいのハマリ役だと思うので。相変わらず高飛車なんだけど憎めない、素晴らしいキャラクターでした。一応、ジュラシックワールド側の主人公たちの方が主役待遇だったんだけど(エンドロールでも先だったので)、ジュラシックパーク側の主人公たちもただのチョイ顔見せ程度ではなく、しっかり本編に絡んでいたのが嬉しかった!その時点で★5点くらいはつけれるね。

まあ、自分たちの欲のことばかりな悪役は相変わらず。ドジスンって頭がいいんだか悪いんだかよくわかんないキャラだったな。広報部長ラムジーが裏切って、マルコム博士の手伝いをしてたんだけど、マルコムの造反が発覚した時も彼だけを処罰してたからね。イヤイヤ、そもそもエリーとアランを自由行動させちゃってた時点でラムジーにだって責任あるでしょ、フツー(二人はマルコムのIDを使って立入禁止エリアに侵入し、例のイナゴのサンプルを採取していた)。最後の方で逃亡しようとする際にラムジー誘う⇒断られる⇒そこで初めて気づくんだもん。え?今気づいたの?って思いました。同僚の研究者(ジュラシックシリーズ皆勤のウー博士)とのやり取りからも全く信頼関係が築けてないようだし。バイオシン・サンクチュアリが炎にまかれたイナゴのせいで壊滅的なダメージを受け、他の職員から緊急脱出を進言されていると気もそうだった。あー、そうか!この人は金儲けは長けてるけど、人と信頼関係を築けない人なんだな。(ホ〇エモン的なことか)

よくわかんなかったのは、脱出準備中に取り出したスプレー缶。確かにこんな感じの、ジュラシックパーク(1作目)の裏切り者のデブメガネが使ってたけど、、、wikipedia見たらまさにそれらしい。当時も今作もそんな描写なんて一切ない中で、いきなりそんな関係性わかるか!

あと、マルタ島の闇取引を牛耳る女ボスのサントスが、ぽろっと言った「前にそれでえらい目にあった」的な発言。え?前作『炎の王国』のあの金持ち屋敷でのやり取りにいたんですか?って思ったんですが、こちらはwikipedia見てもそんな記述はない。何この思わせぶりな発言。いたか?

本当は満点でもいいんだけど、一つだけどうしても納得いかなかったのが、前作ラストで恐竜が世に解き放たれてからの世界。思ったほど恐竜が幅を利かせてない。時間的制限があるとはいえ、あの圧倒的な存在感があった海中恐竜モササウルスがほとんど触れられてない。むしろ海の方が人間が関与できないから、生態系変わるんじゃない?空の恐竜は飛行できる時間とかの設定があれば、繁殖というか住めるエリアは制限できると思う。地上恐竜も、基本は人間が輸送してあげないと大陸間は移動できない。だから、本来であればアメリカ?コスタリカ?だっけ、ほぼアメリカ大陸が恐竜共存世界のメインになるはず。でも、なんか世界中に恐竜がいるような描写があった。これが仮に密輸による輸送が原因だったとして、そしたら移った先々で現実でいうところの外来種みたいに大繁殖し、それこそ壊滅的なダメージを受ける国とかもあるんじゃないかと。そして、全てが繋がっている海にこそ、一番変化がないといけない。このへんの描写は、もう一度観直さないといけないかなって思う。(もし新たな発見があれば加筆します)

とはいえ、、、集大成にして、完結編。前作のような尻すぼみスケールダウンもなく、楽しめたと思う。

★★★★★★