SIENG_CINEMA

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ザ・ベイ

DVD、字幕

初見

アメリカ、メリーランド州チェサピーク湾沿いにある小さな港町クラリッジ。現町長によって建てられた巨大な海水濾過装置のおかげで、町は養鶏産業などを中心に潤っていた。

2009年の独立記念日。お祭りムードに沸く市民だったが、突然次々と体調不良を訴え病院に搬送される。顔や肩、腰など体のいたるところに疱疹が現れた後、体内から食い荒らされ、舌がなくなっている死者もいた。。。

 

ドキュメンタリー風に作られたホラー。今っぽく、スマホやらデジカメやらで撮られた映像を繋ぎ合わせて、物語が展開していく。

話の根幹は、やはり環境破壊。湾内に潜んでいた寄生虫が、湾に廃棄された鶏の糞など様々な(人間による)要因で突然変異し、急速な成長と巨大化によって人間にしっぺ返しをくらわすというもの。そもそも湾内の水質に問題があるから飲むなってお触れは出てたんだけど、この町だけは自慢の濾過装置でこれを可能にしてしまい(しかも寄生虫の幼虫段階だったら濾過されずすり抜けられるらしい)、という皮肉っぷり。

そして相変わらず?(大人になってみれば一定の理解はできるが)、情報の公開を認めず、封じ込めを行い、個人レベルの記録を没収するという政府上層部も、人間の愚かな部分を倍増させてます。ちなみに、偽の原因情報を発表した上で、湾に塩素を3日間撒いて寄生虫を殲滅。一応の解決はされました。

わかりにくかったとこ、1。最初の方で(大事件となる独立記念日より前)ある程度真相に近い部分に迫ったダイバーの死をちゃんと究明(報告)しなかったのが、被害拡大の直接的な原因。よくわかんなかったけど、これは州レベルのお偉いさん判断だった?

わかりにくかったとこ、2。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の立場。なんかあんまり最先端の知識や設備を持ってるようには描写されてなかったし、町で唯一現場で頑張ってた医師を、その場から離れろと言いながらも手遅れと言ったり。逃がしたいのか、そこに封じ込めたいのか、、、何がしたいのかわかりにくかった。

わかりにくかったとこ、3(回収されなかった最大の謎)。寄生虫が活動しなかった人がいる事への説明。主人公のドナ(ジャーナリスト?レポーター?志願の大学生)は、死体の血を顔に浴びた上に町の噴水で顔まで洗ってたのに、そして本人自身も終盤のインタビューの中でそのことについて触れてたのに生還。結局なぜ?の部分が語られなかった。そこ、ちゃんとせいや。加えて、ドナはどこでインタビュー受けてるんだ?(雰囲気的にはウィキリークス的なリークサイトに投稿するための映像を撮ってる体だが。劇中で、唯一の取材者として存在を知られていたので、秘密裏に隠れて生活しているのだろうか。そのへんもきちんとした説明なし)

実際に起きてもおかしくなさそうなリアルな怖さがあったね、映画としてはありがちな展開だらけだけど(よく言えば王道、悪く言えば目新しさなし)。役者陣に綺麗どころがいないし、だとすればのムフフなシーンもないし。全体的に低空飛行な作品だけど、こんな死に方したくない!という予備知識として持っておいてもいいかな的な観点から★2点。