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プロジェクトA2 史上最大の標的

DVD、字幕

何回も観てる。

前作『プロジェクトA』の一応続編。海賊退治の手柄で出世した水上警察のドラゴン(ジャッキー)は、香港の犯罪多発地域の警察署長に抜擢される。前署長のチンが汚職に手を染め、犯罪組織とも癒着して絶大な権力を手にしていたからだ。

署内のだらけきった空気を一掃するため、地元犯罪組織のボス・タイガー一味を水上警察の手を借りながら逮捕したドラゴン。今度は警視総監の娘の誕生パーティーの警護を命じられるも、香港革命党の一派と結託したチンの妨害行為によって宝石泥棒の冤罪を着せされてしまう。

チン署長と香港革命党一派、さらにはそこに組織を壊滅されられて恨みを持つ海賊の残党たちが加わり、ドラゴンの周りは混沌としていく。。。

 

初めて観た時からの違和感は、やはり何十年経っても同じなんだなという印象。

香港が抱える政治的なバックボーンや、悪徳警官の暗躍(賄賂に乗らない清廉潔白なジャッキーとの対比も実にドロドロしてる)など、特に前作のノリを知ってる分「コレじゃない感」が強く残る。それに、サモハンもユンピョウも出てないし。

前作からの部下(仲間)の大口やヒョウキンも出てるけど、やっぱりジャッキーを支える戦力としての格落ち感は否めず、主人公側はホントにジャッキーただ一人で戦ってる感じなのよね。だから、ずっと同じようなカンフーシーンばかりが続くんだよね。ただでさえジャッキーは大勢を相手にする際に、大体場所を移動する(軽く逃げて相手をばらけさせる)、物を投げる、そこからのカンフー組手っていうのがセオリーだから、、、その流ればっかり観せられる。全体通してマンネリしてる。

いい点は、海賊残党の改心。冒頭の復讐の誓いから時間の経過とともにトーンダウン。仲間の病気をきっかけに、ジャッキーへの復讐より新しい人生、転職のことなんか口にしちゃう。今作最大の悪役チン署長があの手この手と小狡い手ばかり使って権力を得る中での、前時代的な悪役とのコントラストが見事。結局(脳筋的なノリは)落ちぶれていくばかりで、その不器用な生き方に好感を持ってしまいました。ラストでドラゴンも「古い友人」って言っちゃうし。

そして、脇を支える皆さんもよかったなー。サモハンもユンピョウもいなくとも、タンピョウがいて!ロザムンドクワン(『サンダーアーム』のローラね)がいて!大好きなマギーチャンがいた!大口もヒョウキンも二線脇役としてはいい味出してるし、ダメ署員にはあのリッキーホイ(個人的には、香港の志村けんと思っている。もう少し見せ場が欲しかったぜ)の顔も!

ジャッキーの映画として、、、前作の続編として(そもそも水上警察じゃなくなっちゃったし)、、、みると物足りなさが残るけど、共演者に顔ぶれに★プラス1です。(マギーチャンが好きだ!)

★★★